私の努力をよそに
息子はふてくされたように
ゲームを再開してしまったし
夫は、私に許されたと思って
もとの生活に戻った。
相変わらず、私に甘えて、家事も何ひとつ手伝わない。
本当は、ソファでゴロゴロしている夫を見ると
アヤとの、衝撃的な光景を思い出して
動悸がする時がある。
でも私は手の震えを押さえて
平静を装った声音で、何事もなかったように
夫と会話をする。
私が、夫に普通に接しているのは
死に物狂いで、普通を演じているのに…。
その死に物狂いの努力を
「許された」と勘違いしているのだ。
一人きりになると
涙があふれて止まらなくなる。
でも、私の努力はいつか、実を結ぶはず。
そう信じてがんばった。
なのに、
アヤはまたしても
私の前に現れたのだった。
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