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認知症の義母が遺したもの(1)

スカッと情報局
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ついさっき、義母が逝った。
苦しまずに眠るような最期だった。

認知症をわずらっていたから、義母本人も
死への恐怖はなかったろう。
安らかな終わりだった。

夫のヨシヒロと義姉は
義母の枕元で泣いている。
一方の私は、涙ひとつでない。

私は家で、義母を介護してきた。
たった一人で、認知症の義母を介護するのは
本当に辛かった。

この三年間は、ゆっくりと寝る間もないほどだった。
なので、義母が亡くなった今
ほっとした気持ちもある。

「ナナミさん」
突然、泣いていた義姉が顔を上げて私を睨んだ。

私「何でしょう」
義姉に歩み寄って声をかけると、
義姉は驚くべき言葉を投げかけた。

義姉「あなたが、母さんを殺したんでしょう」

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