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認知症の義母が遺したもの(13)

スカッと情報局
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翌日の夜、義姉がやってきた。
義姉「ナナミさんに用はないわ。
弟に呼び出されたから来ただけよ」
ツンとして、客間に座る。

私は夫に尋ねた。
私「お義姉さんに、何の用なの」
夫「母さんの遺産の話だよ。お前は茶を出してくれ」
しかたなく私は、義姉と夫にお茶を出した。

義姉「で、母さんの遺産は、いくらあるの?
父さんから相続した分もあるし、結構あるでしょ?」

夫「まだ確認できてないんだ。死亡届を出してしまったから
銀行からお金が下ろせない。
預金を下ろすのに、相続人全員の戸籍謄本が必要なんだ」

義姉「何やってるのよ、どんくさいわね」
義姉はいらいらと、私の淹れたお茶をのんだ。

夫「明日、戸籍謄本を持ってきてくれ」
義姉「持ってくるけど、勝手にお金を下ろしたら
承知しないわよ。私も相続権を持っているんだから」

介護の義務は果たさないくせに
権利はしっかり主張する義姉に、私は内心呆れた。

そもそも義母のお世話をしたのは私なのに
相続の話になったら蚊帳の外だ。
お茶を運びながら、話に聞き耳をたてるくらいしかできない。

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