息子の部屋から出てきたアヤは
「美味しそうな匂いですねぇ!」
と鼻をひくつかせた。
ちょうど、晩御飯の唐揚げが
揚がったところだった。
「良かったら食べていくかい?」
能天気な夫が、誘った。
「ちょっと、急に何を言い出すの」
と、内心思ったが
もう後の祭りだった。
アヤ「一人暮らしなんで、助かりますー!」
と、アヤは、さっさと席についてしまった。
仕方がない。私はアヤの前に唐揚げを出した。
「うわあ、美味しいー!」
アヤは、もりもり食べた。
美味しそうに食べてくれるので
悪い気はしない。
でも、なぜだろう…。
言葉では
言い表せない、モヤモヤとした気持ちが
胸の奥にたちこめていた。
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