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認知症の義母が遺したもの(9)

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私は夫を見た。かばってくれることを期待したのだ。
けれど夫は
「姉さんの言うことはもっともかもしれない」
なんて、言い出した。

義姉は、鬼の首を取ったような顔で笑った。
イヤな予感がしたけれど
葬儀のばたばたで、うやむやになった。

初七日が終わり、ようやく一息ついた日のことだ。
一人で家の片づけをしていると
義姉が、紺色の制服姿の男性と一緒に訪ねて来た。

男「駐在所の者です」
私「え、警察!?」

男「こちらの方から通報があって、ナナミさんにお母さまを
殺されたのではないかと疑っておられるのです」

義姉は
「これであんたも終わりね。覚悟しなさい」
と、にやっと笑った。

警察「ちょっと、家の中を見せてもらってもいいですか」
怒りよりも、恐怖が湧いた。
もちろん、私は義母を殺してなんかいない。

痛くもない腹を探られるだけとはいえ
警察に疑われるというのは、ぞっとする体験だ。

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