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認知症の義母が遺したもの(18)

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そんなことを考えていると、涙がこぼれてきた。
哀しさからなのか、悔しさからなのか
自分でも分からなかった。

風呂場で泣いていると
声が聞こえた気がした。

『ナナミさん、ごめんなさい』

驚いて顔を上げたけれど
誰もいない。

けれど、義母の声に似ていた気がした。
「自分の息子の浮気を知って
謝ってるのかしら? まさかね」

けれど、私の思い違いではなかった。

翌日。
弁護士を名乗る人物が、家を訪れた。

弁護士「長期出張をしていて
お母様の訃報を知るのが
遅くなりました。
お母様の遺書を預かっています」

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