翌週。
私の誕生日の朝。
私「あなた。今日は、何時に帰ってくるの?」
私はウキウキと尋ねた。
夫「今日は遅くなる」
私「あ、遅くなるんだ…」
急に気持ちがしぼんだ。
夫「遅くなったら悪いのか? お前たちを養ってやるために
身を粉にして働いているんだぞ」
夫は不機嫌だ。
息子「父さん、忘れたの?
今日は母さんの誕生日だよ」
夫「あ、そ、そうか。そうだったな」
すっかり忘れていた、という風に夫が言った。
演技だとしたら、大したものだ。
夫「あ、そ、そうか。そうだったな」
すっかり忘れていた、という風に夫が言った。
演技だとしたら、大したものだ。
息子「やった! ケーキだ」
ケーキと聞いてはしゃぐ息子。
夫は、そそくさと会社へ向かった。
「なにかおかしい…」
夫の背中に、
言葉では説明できない、不穏なものを感じた。
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