祖父の法事の日。
正直、夫のことが気になって法事どころじゃなかった。
ようやく法要が終わったが、
親族と一緒にレストランへ行くことになっていた。
「どうか、本当に仕事していますように」
レストランでの食事中
祈るような気持ちで、スマホで夫の居場所を確認した。
しかし
GPSが指したのは、ラブホテルだった。
私は心の底から、夫に失望した。
せっかく、人間に戻るチャンスをあげたのに、
夫はまた、本能に負けて動物に成り下がったんだ…。
食事中、スマホを見たまま
黙りこくった私を心配して
叔母が声をかけた。
叔母「ルミちゃんどうしたの? 怖い顔して…」
私「いえ、ちょっと体調が…」
私はとっさに、ごまかそうとした。
けれど、途中で考えが変わった。
もう、動物に成り下がった夫のことなんて
かばう必要はない。
私「みなさん聞いてください。実は私の夫は……」
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