23時過ぎ、夫が帰って来た。
夫「ただいま」
私は無言で夫の顔を見つめる。
夫「なんだよ、怖い顔して」
私「これ、どういうこと?」
テーブルの上の、女児のワンピースを指した。
「あ…」
夫は一瞬、言葉を失ったようだが
「わかった。タバコ吸ったら、わけを話すよ」
と、ポケットからライターを出した。
私「今、タバコなんてどうでもいいでしょ!?」
夫「そうか、そうだよな。
実は俺、もうすぐ三歳になる娘がいるんだ」
私「…うそでしょ?」
夫「本当だよ。四年くらい前、スナックで働いてる女性と
深い関係になって、子どもを作ったんだ」
頭を殴られたような衝撃が走った。
女児のワンピースを見た時から
「夫に隠し子が?」とは思っていた。
でも、「まさかね」と打ち消していたのだ。
夫「毎週月曜日に、会いに行ってたんだ」
私「月曜日は、会議で遅くなると言っていたのに
嘘だったの?」
夫「ああ、二重生活ってやつだな」
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