ミキに「別れて欲しい」と言われるところから始まる。
二人の馴れ初め。決して裕福ではないが100円のカップ麺を二人で食べるだけで幸せ。
「別れて欲しいの」
恐れていたことが起こった。
俺が何か言うよりも先に、妻のミキから離婚を切り出されるなんて。
俺「ちょっと待ってよ。もうちょっと話し合いを——」
ミキ「いいえ、話すことはないわ。さようなら」
取りつく島もない彼女に、圧倒的な敗北感を覚える。
俺「ああ、俺がもっとしっかりしていれば……」
俺の名前はタケオ。
妻のミキとは社会人になってから合コンで出会った。
年上の彼女の魅力に惹かれ、柄にもなく猛アタックして交際を申し込んだのだ。
ミキ「よろしくお願いします。タケオさん」
笑顔が可愛いミキ。それから関係が深まり、結婚まで漕ぎ着けた。
高卒で働き出して決して裕福とは言えない家庭だったが、ミキといられるだけで幸せだった。
俺「100円のカップ麺もミキと食べたらうまいなあ」
ミキ「ふふ、またそんなこと言って」
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