ミキの浮気を疑いつつも、信じたくない気持ちから目を逸らしていた。
ある日、夜中に目を覚ました俺はいつも隣に寝ているはずのミキがいないことに気づく。
俺(トイレにでも行ったのか?)
そう思いつつ、喉が渇いたのでリビングまでお茶を飲みに行った。
リビングへと続くドアを開ける際、部屋の明かりがついてることに気がつき扉の前で立ち止まる。
俺(こんな夜中に何してるんだ? ん、電話?)
ミキはこちらに背を向けて誰かと電話しているようだった。
ミキ「……ん、来週? ……ええ……」
内容までは聞き取れなかったが、ミキの声が普段より高い。
それは、俺と交際を始めた頃に聞いた甘え声のように聞こえた。
ミキ「……待ってる」
はっきりと聞こえた「待ってる」という声は何を意味しているのか。
想像して頭をぶんと横に振る。
俺(そんなはずないよな……。ミキが浮気なんて)
愛する妻の不貞を信じたくない気持ちから、現実から目を逸らしていた。
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